都市未来研究会 IN NISEKO

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都市未来研究会IN NISEKO設立趣意書

Ⅰ 研究会の設立趣旨

背景

世界の多くの都市では成長の限界を迎え、深刻な少子・高齢化とそれを理由にした人口減少、社会福祉的な機能や人間関係の弱体化、経済活動の頭打ちによる財政難、そして地球温暖化に代表される環境問題という大きな課題に直面しています。人口減少や化石燃料利用の制限は経済活動の低下を誘引しかねません。高齢者人口が増加し続け、介護や医療へのニーズが高まっていることに対して、それを支える若者、財政、人間関係のどれもが縮小し続け、先行きは不透明になっています。

こうした人口減少社会において、どのように都市を再編していくのか。そして社会・経済・環境の3つの要素をバランス良く保ち、持続可能な都市を作っていくのはどのようにしたら良いのか、という問いに私たちは答えてゆく必要があります。

この研究会では、5,000人の小さな町ニセコを舞台にこれらの問いに答えるための実践的、具体的な活動を行います。同時に、その具体的な成果は、ニセコを超えて、世界各地の都市再編に応用できるよう標準化していきます。

目指すべき未来像

人口減少時代の都市を再編するためには、これまでの増加・成長を基軸としたシステムから、縮退し、その後定常化してゆくという未来の社会に対する共通認識が必要です。それは経済活動や社会の仕組みを、より効率を高めることだけを目指した大都市集中型から、地方都市や農村への分散型へ、経済活動では垂直統合型から、分散ネットワーク型へと移行させることを伴います。

その際、とりわけ若い世代にとって、地方での働き方や暮らし方が魅力的であり、豊かさや幸福感を享受できる社会がそこにあることが前提で、さらにそれを知ってもらうことが必要です。いままでスケールを求めてきたビジネスのあり方を、より個人を起点としたスケールに落として次のような社会を考えたいと思います。

目指すべき社会

  1. 都市集中型社会から地方分散型社会へ
  2. グローバリズムからローカリズムへ
  3. 社会課題解決型の経済活動(まちづくり、医療、福祉、教育などの課題解決)の促進
  4. 共有財産(コモンズ)の解釈と理解、運用の拡大
  5. 共有財産である公的情報の可視化(だれでも必要な情報にアクセスでき、活用できる社会)
  6. 地方における暮らしの質の高い住宅政策
  7. 行政自治から住民自治へ
  8. 個人主義から相互扶助へ

研究課題とその分野

こうした社会を実現させるために、「マイクロモジュール」という考え方を採用してゆこうと思います。マイクロモジュールはエネルギー、水、交通、コミュニティなどいくつものレイヤーをもち、そのレイヤーごとに適正な規模と質、機能のモジュールを探していく必要があります。将来の技術革新や情報化、人の暮らしの営み、そして人口の変化に柔軟に対応して、小規模なモジュールごとに改編ができるような分散型のインフラシステムを用意していく必要があると考えています。他にも検討していく研究課題には次のようなものがあります:

  1. 人口予測などの定性分析、およびデータオープン化
  2. 地域通貨などの新しい貨幣の仕組み
  3. グリーンエネルギーと水、廃棄物処理という生存権インフラ
  4. 交通システムと移動サービス
  5. 医療・福祉の制度
  6. 教育制度、教育プログラム
  7. 環境保全と観光のありかた
  8. 農業や林業および生物や生態系
  9. コミュニティデザイン
  10. 食の地域内供給と可能な範囲での自給

こうした課題を研究しながら、その実現に向けてさらなる課題を整理していきます。これらの取り組みの実現には研究者に加えて企業の参加も必要です。また人工知能やロボットなどのテクノロジーはあらゆる局面で必要になります。しかしその際も、それが長期的な視点に立っても自然環境やコミュニティ全体の幸福の増大に寄与するのかよく考え、節度ある技術導入の方法を検討する研究も必要になるでしょう。もちろんテクノロジーだけでなく、精神的な拠り所となる新しい文化や芸術の強化も考える必要があるのは言うまでもありません。

Ⅱ 研究会の組織

  1. 設立当初の研究会は、当面、任意団体とする
  2. 設立当初の研究会は、当面、運営の方向性、指針、研究テーマの選択、発起人の新たな参加・退出などの重要事項は、発起人による定例の会議(毎週火曜日17~18時)において議論し、多数決で決議する
  3. 設立当初の研究会にかかる少額経費の予算、執行については、当面、事務局支援企業である株式会社ニセコまち、一般社団法人クラブヴォーバンとの協議の上、事務局(発起人代表)で取り決める
  4. 設立当初を経た後、研究会にかかる高額な予算、執行については、以下の組織体制・団体によって執り行う
  5. 当面の猶予期間を経た後、研究会をどのような組織・団体の体制にするのか、再度、発起人で議論し、多数決で決議する
  6. 設立当初の研究会の発起人、および発起人代表は以下の通り
    発起人:福本 理恵、須崎 文代、櫻井 啓一郎、高内 章、田中 信一郎、西村 勇哉、
    橋本 泰作、山﨑 満広(順不同)
    発起人代表:土谷 貞雄、村上 敦

Ⅲ 事業内容

研究会では、次のようなステップで研究事業を行うことを予定しています:

  1. ニセコ町をモデルとした縮退する都市のシミュレーションゲームの開発
  2. ニセコ町をモデルとした総合・土地利用計画、および農村デザインの策定
  3. 上記2つのテーマのアウトプットを検証し、想定される課題解決の研究
  4. 関連する企業と共同での実証実験、および運用の開始

上記の1および2を当初の3年間(2021~23年)に行い、一定の成果を持って3を次の3年間(2024~26年)で進め、その後、4へと進める計画です。
なお、同時進行で、それぞれのステップでの成果を広く公開して多くの人の意見を踏襲していきます。併せて、この活動そのものの意義を広く伝えるための効果的プロモーションについても実行し、より多くの人へ関心を促していきます。

令和3年2月27日
都市未来研究会IN NISEKO発起人一同
事務局 株式会社ニセコまち
北海道虻田郡ニセコ町字富士見47番地
(ニセコ町役場内)
https://www.toshimiraikenkyukai.com/

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